まだまだ続くイタリア列車遅延問題...

トレニイタリアは2つに分かれた。

新しいTAV (TRENO ALTA VELOCITA' =トレノ・
アルタヴェロチタ= の略。イタリア版新幹線)が現れた
ものの、今までの問題は未だ残ったままだ。

列車は遅延と運賃値上げとが重なり、
通勤者に新たな問題を引き起こしている。

以前と何も変わっていない。いや、以前よりも悪化した。
イタリアはユーロスター・アルタヴェロチタで、ヨーロッパの高速鉄道路線とのネットワークを
目指しているが、無駄な試みに骨を折っているように見える。
現実は、イタリアの列車は2つの路線を走っているのだ。

一つは優遇された新しいユーロスターの路線、アルタヴェロチタ(時速300キロを超えるスピードで走る)、
もう一方は古びた遅い列車で、こちらは日に200万人の通勤者が喘いでいるのだ。

ローカル列車
アルタヴェロチタとローカル列車ははまったくかけ
離れた世界で、それゆえ問題も山積だ。
炎の様な装いをした新しい列車フレッチャロッサ
(アルタヴェロチタの列車名)を導入するにあたり、
数知れず、ダイヤ変更が行われた。

新幹線を優先させるためにはこのダイヤ変更は
不可欠だったが、その為に他に大きな犠牲が
払われた。

結果として、通勤者のための列車の本数は減り、ダイヤは乱れ、目的地までの所要時間は増し、
遅延は日常茶飯と化している。

イタリアの列車速度は全く2つに分かれてしまった。
しかしながら、「時間の不正確性」という慢性的な問題はまったく解決していない。
それどころか、列車の遅延は日常化している。

クリスマス時期に行った調査では、571本の列車で、

なんと64%の列車が予定時刻から遅れて到着している。

これはユーロスター・アルタヴェロチタも含めてだ。

ライン
ユーロスター・アルタヴェロチタ、普通列車問わず、イタリアの列車はカタツムリと化している。
64%の列車は遅れて到着し、そのうちの3分の1は15分以上の遅延、

5分の1は30分以上の遅れである。

南イタリア行きは更に悪化し、遅延のために待たされることは、北イタリア行きの57%と比べて、
66%と頻繁だ。

駅によっても違いはかなりある。

パレルモは一番酷く、23本の列車のうち22本で、30分の遅れがあった。

続いてレッジョカラブリアで、3分の2が、同様に30分の遅れがあった。

ユーロスター・アルタヴェロチタの遅れは平均的に、ローカル列車に比べれば少ないものの、
外国のような「定刻きっかり」とは程遠いものがある。

ライン

問題はそれでもまだ足りないかのように、
新しい路線変更は運賃値上げまで引き起こした。
仕事へ行くために無駄遣いをしないよう、特急列車をわざわざ利用しない通勤者へ
そのしわ寄せは来たのだ。
新しい運賃設定は選択の余地が少なくなった。

以前は鈍行列車よりも早い列車に乗るために、ある程度の追加料金を払えばよかったが、
今では早い列車に乗りたければ、2倍近くの料金を支払わなければならなくなった。

トレニイタリアは、長年政府から運賃値上げが許可されなかったために、ダイヤ変更や
停車駅変更などではぐらかしながら運賃引き上げにもっていこうという試みを繰り返し、
その結果がこうなったのだ。

質の悪いサービスや、時間の不正確性など、依然たる問題を解決するかわりに、
最新の建築家によってブランド化された駅にするためにお金はつぎ込まれた。

もし安全性や列車の清掃など基本的なことに投資がされていたならば、ユーロスター・
アルタヴェロチタの登場もこんなに苦々しいものにはならなかったはずだ。

トレニイタリアのように廃れた会社組織には、今からでも、未来へ向けての見直しが不可欠だろう。

Altroconsumo 2009年3月記事訳文

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